早期教育でデートDV防ぐ 男女共同参画ミニ通信vol.35(平成27年10月号)

「デートDV(ドメスティック・バイオレンス)」という言葉を知っていますか。DVに「デート」がつくと、恋人同士の間で起きる暴力のことを指します。主に10 代から20代の若い世代でのデートDVが近年、問題となっています。しかし、京都市が市内の高校に通学する生徒に調査した結果によると、4人に3人以上の男女が「デートDV」について理解していないという結果が出ています。

気づけば加害者被害者に

デートDVは、通常のDVとほとんど変わりありません。「体への暴力」以外に、大声で怒鳴る、侮辱する、行動や交友関係を監視・制限するなどの「心への暴力」、性行為を強要するなどの「性的な暴力」、デート代を無理に全て払わせるなどの「経済的な暴力」などがあります。
デートDVが起きる要因として、かわいらしい、気が利く、受け身などといった「女らしさ」、強い、弱音を吐かない、競争に勝つといった「男らしさ」への期待や理想があります。特に2人の間に何か問題が生じた時に、理想を現実化するため、暴力といった手段に出てしまうのです。
また、「好きなら何でも許される」「束縛=愛情」といった恋愛感情についての思い込み、会っていない時も相手を拘束・監視できてしまうLINEやSNSなどの環境も影響しているといわれています。
人間関係を築く経験が浅いなか、「好きな人をコントロールしたい」「嫌われたくない」という考えなどから、気づかないうちに加害者・被害者になってしまうのです。

別れさせたい。でもその前に

もし、デートDVを大人が見聞きした場合、「別れなさい」と言いたくなることでしょう。その人を思えばこそ自然にわき起こる気持ちでしょう。しかし、この言葉は命の危険性が迫っている場合を除き、当事者には逆効果な場合があります。当事者自身が今の問題に気付き、自分も相手も大切にするにはどうしたらよいかを自らが考えなければなりません。大人の考えや意見を安易に押し付けず、まずは二人の間に何が起きているか根気よく話を聞きましょう。
同調査によれば、高校生の約6割が「交際経験がある」と答えています。学年別で見ても1年生の段階で5割を超えています。中学生などの早い段階からのデートDVの防止教育が必要なのではないでしょうか。

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更新日:2019年04月24日