子どものころから育みを 男女共同参画ミニ通信vol.34(平成27年9月号)

「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきである」。この言葉を聞くと、積極的に女性の活躍応援をしている現在の風潮からは時代遅れのように感じます。しかし、内閣府の調査(平成26年内閣府「女性の活躍推進に関する世論調査)によると、この考え方に賛成する人は、50代が37.6%であるのに対し、20代は41.3%。20代が50代を上回るという結果が出ています。

若者のほうが保守的

賛成の理由は「妻が家庭を守った方が、子どもの成長などに良いと思うから」が半数以上。次いで「家事・育児・介護を両立しながら、妻が働き続けることは大変と思うから」「夫が働いた方が、多くの収入を得られると思うから」という理由が挙げられています。
あくまで憶測の域は出ませんが、挙げられた理由の背景には「育児=女性がするもの」という性別役割分担意識や、社会問題にもなっているマタハラ(マタニティ・ハラスメント)にも象徴されるように、女性が仕事と家庭を両立させることの困難さ、男女の賃金格差の問題などがうかがえます。
若者の多くが、時代逆行ともとれる「男性=仕事、女性=家庭」という考えに賛成している現状は、社会が取り組むべき課題を教えてくれています。

自分も相手も大切に

性別に対する固定観念は、子どもの頃からの情報や経験、環境によって構築されていきます。長年にわたって構築された固定観念は、たとえその人の生きづらさにつながっていたとしても、変えることは容易ではありません。だからこそ、長期的な視点に立ち、子どもの頃から学校教育だけにとどまらない男女共同参画意識の育みと教育が必要です。
「男の子は泣かない、強くなりなさい」「女の子はおしとやかに、遠慮しなさい」そんな何気ない言葉や態度を、子どものためと思って発していることはありませんか。男らしく女らしくある前に、個人の「自分らしさ」を尊重しましょう。
男女共同参画を意識した行動は、相手を個人として大切に思う人と人との基本的なかかわりを育みます。現在、社会問題となっているいじめや暴力を考えることにもつながるのではないでしょうか。男女共同参画は「自分も相手も大切にするコミュニケーション」から始まります。

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更新日:2019年04月25日