令和3年度施政方針

令和3年度施政方針演説~令和2年度精華町議会定例会3月会議町長挨拶要旨~

1.はじめに

 精華町議会議員の皆さん、おはようございます。

 本日は令和2年度精華町議会定例会3月会議にご参集いただきまして、誠にありがとうございます。

 平素は町政全般にわたりまして、格別のご理解、ご協力を賜っておりますことに、心よりお礼を申し上げます。

 一昨年10月の就任以来、1年と4か月、議会議員の皆さんの温かいご理解とご支援を賜り、町政の舵取り役を務めさせていただくなか、この度も、議会各会派から積極的なご意見、ご要望を頂戴しながら、二度目の予算編成を終えたところでございます。

 この一年間、コロナ禍の逆風が吹き荒れる中、町民の皆様の命と暮らしを守るため、感染拡大防止と、地域経済や住民生活の支援に全力で当たるとともに、町政を停滞させてはならないとの思いで、私を先頭に役場職員一丸となって取り組んでまいりました。

 しかしながら、コロナ禍による様々な制約のもと、特に年度当初は事業によっては思うように捗らず、私自身も、この間、出張自粛を余儀なくされ、テレビ会議などでの対応にも努めてまいりましたが、国や府との意思疎通が十分に図れず、忸怩たる思いを何度もいたしました。

 こうしたことから、いくつかの事業では、繰り越しをお許しいただかなければなりません。

 一方で、令和3年度は、コロナ禍への対応はもちろん、学研狛田東地区の開発を皮切りに、本町における学研都市建設の仕上げに向けて転機となる年であり、そしてまた、学研都市精華町の未来を描こうとする極めて重要な年であります。

 こうした大きな諸課題に対応するため、逆境にありながらも、最大限の財源確保に努め編成した新年度当初予算案などをはじめ、町政運営全般に関わります諸議案を、本日、提出させていただく運びとなりました。

 つきましては、三原議長のお許しを得まして、令和3年度の施政方針として、町政運営にあたります、私の所信の一端を申し上げる次第でございます。

 私が掲げますすべての施策は、「精華町の未来のために」をモットーとしております。

 私の公約の三つの柱、「学研都市のまちづくり」「子どもを守るまちづくり」「三世代が支え合うまちづくり」、これら公約実現に向け、全身全霊を傾け、まい進してまいりますことを、ここに改めてお誓いいたします。

2.基本認識

 それではまず、施政方針の前提としまして、町政を取り巻く内外の情勢に対する、私の基本認識を申し述べます。

(1)コロナ禍・ウイルスとの闘いについて

 まず、何よりも先に申し上げなければならないことは、コロナ禍・ウイルスとの闘いについて、でございます。

 中国武漢が発生源とされる新型コロナウイルス感染症の猛威は、この一年あまり、世界を大きく揺るがし続けています。

 大都市近郊に位置する本町でも、昨日現在の感染者累計は85人に達しています。

 コロナ禍による経済の打撃も計り知れず、若い世代、とりわけ女性の自殺者の増加が報じられ、心が痛みます。

 本町では、冒頭申し上げましたとおり、町民の皆様の命と暮らしをなんとか守りたい、その強い思いで、精華町にとって最も有効な対策は何かを追求し、実施してまいりました。

 特に、医療や介護、子育て支援の提供体制の確保、維持、さらには支援が行き届きにくいと懸念される方々への支援、また、これを機に、子どもたちのICT環境整備を一気に進めたい、そんな思いで取り組みを続けてまいりました。

 一方、全国的に医療の逼迫状況が続いていることは、たいへん心配です。

 民間医療機関での患者受け入れが進まず、一部の公的病院などに負荷が集中し、医療崩壊への懸念が叫ばれて久しいわけであります。

 二度にわたる緊急事態宣言は、医療提供体制の崩壊を避けるためではなかったのか。

 そうであるならば、これだけ時間がありながら、政治は、そして医療業界は何をしてきたのか、こうした対応の遅れのせいで、二度目の緊急事態宣言発出が避けられず、経済は再び落ち込み、多くの飲食店などが閉店を余儀なくされ、どれほど多くの人が職を失ったのだろう、そう考えると、残念でなりません。

 そうした中で、本町ではたいへん嬉しい知らせがありました。

 相楽医師会精華班では、まず高齢者向けワクチン接種で、数度にわたる集団接種を実施できるよう医師会所属医師の大規模な動員を計画していただいているとのこと。

 まさに時宜を得て、頼もしく感じております。

 精華町の医療関係者の篤い志に敬意を表します。

 また、本町では、町民の皆様の冷静で落ち着いた対応もたいへん心強く感じています。

 不安を煽るような連日の報道の中にあっても、本町では大きな混乱もなく、感染拡大防止へのご協力をいただいております。

 令和3年度は、まずはワクチン接種の推進で幕開けとなります。

 コロナ禍・ウイルスとの闘いを、町一丸となって克服しよう、そのように申し上げます。

(2)世界と日本の情勢について

 一方、世界に目を向けますと、アメリカ大統領の交代にも関わらず、米中対立は不可逆的に深刻さを増すものと考えられます。

 自由と民主主義の政治体制か、独裁政治体制か、再び世界が二分される事態が懸念されます。

 さらに、中国の海洋進出により、南シナ海にとどまらず、ついには東シナ海における緊張の度合が増しているとのことであります。

 基地を抱えるまちとして、世界で唯一の被爆国である我が国が、誰よりも平和を希求し、今こそ、国際貢献を果たし、世界から尊敬を集める国であってほしい、そのように願います。

 また、地球温暖化防止を目的に、西暦2050年を目標とするいわゆる「カーボンニュートラル」の流れが、世界経済を大きく転換しつつあります。

 我が国でも、「グリーン」そして「デジタル」、この2つのキーワードが持続可能な成長を支える基本戦略と位置づけられつつあります。

 しかしながら、地球温暖化をめぐっては熾烈な国際的な主導権争いが繰り広げられており、国を挙げて、地方公共団体にもこれまで以上にいわゆる「SDGs」すなわち「持続可能な開発目標」の推進が求められることになります。

 コロナ禍で深い傷を負った日本経済、そして過去に例を見ないまでに債務を抱えることになった我が国の財政により、後ほど、予算案でも説明いたしますが、地方財政の先行きも極めて厳しい状況が予測されます。

(3)学研都市精華町の未来都市建設

 一方で、学研都市精華町に目を向けますと、令和3年度、学研狛田東地区での京阪電鉄不動産株式会社による開発が本格化します。

 また、学研狛田西地区を担当する近鉄不動産株式会社とも意見交換を重ねており、学研地区開発への意欲を聞かせていただいております。

 未整備地区となっている他地区の状況を考えますと、こうした学研狛田地区の状況は本当にありがたいものと考えます。

 先行する筑波研究学園都市が追求した「産業集積と人口定着」を参考に、自立のまちづくりを目指し、学研狛田地区の整備によりどの程度の産業集積を図ることができるのか、引き続き調査研究を進める必要があります。

 人口定着についても、今後の市街地整備の方向性を明らかにする必要があります。

 こうした観点からも切り離しては考えられないのが京阪奈新線延伸であります。

 関係機関において新祝園ルート優先での決着をそろそろ図っていただく必要があります。

 そして、何よりも我が国を代表するパイロットモデル都市として建設されてきた学研都市精華町であります。

 学研都市の成果を活用し、少子高齢化に対する解決例を全国に提案できるまちを目指したい、そのように考えます。

 長年、本町で取り組んできた「科学のまちの子どもたち」プロジェクトや、健康長寿を目指して始めた「せいか365」プロジェクトは少子高齢化に立ち向かう未来都市の先駆けとなるパイロットモデル事業であります。

 総合計画策定に取り掛かる令和3年度、京都府立大学の京都地域未来創造センターの全面的協力も得ながら、英知を集め、優れた手法を編み出して取り組んでいきたいと考えています。

3.基本方針

 こうした基本認識をふまえつつ、令和3年度施政方針は、私の公約実現に向け「精華町の未来のために」必要な施策に重点を置き、第5次総合計画の体系に基づいた次の四つの基本方針として、町政を進めてまいります。

 なお、令和3年度の予算編成の前提となる財政状況などにつきましては、後ほど、一般会計当初予算の提案理由の説明において、副町長からその概要を説明させていただきます。

(1)活力あふれ魅力ある学研都市のまちづくり方針

 第一の方針、「活力あふれ魅力ある学研都市のまちづくり方針」では、まず、令和3年度から2か年をかけて、総合計画の改定に取り組みます。

 地方自治を取り巻く環境がどれほど先行き不透明であっても、諸先輩方が描いたグランドデザインを踏襲しつつ、今を担う私たちが新たな中長期のまちづくり指針を描くことは、最も重要な仕事の一つであります。

 京都府立大学の知見も得ながら学研都市精華町の持続可能な未来都市への成長戦略づくりを通じて、次代を担う役場職員をはじめ広く地域公共人材の育成にもつなげてまいります。

 学研狛田地区については、先行する京阪グループによる学研狛田東地区の開発に合わせて、幅広い産業の集積を誘導します。

 また、近鉄グループによる学研狛田西地区の開発については、関係機関との調整を進め、早期事業化を促進します。

 これに合わせて、近鉄狛田駅周辺のアクセス道路や駅舎の整備、商業施設の立地を促進するとともに、JR下狛駅周辺整備基本計画を策定します。

 市街地整備では、山手幹線沿線の菅井西・植田南地区における地元の取り組みを支援するなど、早期事業化を促進します。

 交通網の整備では、国道163号精華拡幅をはじめ、学研高山地区と精華・西木津地区とを結ぶ学研連絡道路及びその周辺整備を促進するとともに、生活道路の新設・改良や歩道照明のLED化、橋りょうの耐震化などに取り組みます。

 京阪奈新線延伸については、新祝園ルートの整備を優先する形で決着が図られるよう、関係機関に働きかけるとともに、協議会活動を通じて早期実現の機運醸成に努めてまいります。

 リニア中央新幹線の学研都市への中間駅設置や北陸新幹線の早期全線開業をはじめ、JR片町線の複線化、鉄道駅のバリアフリー化を国や関係機関に働きかけてまいります。

 学研都市建設の推進にあたっては、引き続き、京田辺市や木津川市との三市町行政連絡会の枠組みを中心に、学研都市の広域的連携の先導的役割の発揮に努めてまいります。

 地域創生の取り組みでは、「SEIKAクリエイターズインキュベーションセンター」を拠点に、「科学のまちの子どもたち」プロジェクトの推進をはじめ、サブカルチャーなどの創作活動の支援に取り組みます。

 また、観光農業の推進や新たな特産品の開発、ふるさと納税特設サイトを活用した特産品のPRやふるさとの魅力発信、山城地域12市町村や東京都渋谷区と連携した広域的観光事業に取り組みます。

 上下水道についてはその着実な整備と適正な維持管理に努めるほか、老朽化が進んでいる町営住宅については、関係機関とも調整を図りながら建て替えに向けた基本計画の策定に取り組みます。

(2)安全・安心で健やかな暮らしのまちづくり方針

 第二の方針、「安全・安心で健やかな暮らしのまちづくり方針」では、コロナ禍のもと町民の皆様の命と暮らしを守るため、地方創生臨時交付金なども活用しながら感染拡大防止や地域経済と住民生活の支援に努めるとともに、相楽医師会精華班の協力を得て、町立学校施設なども活用し、円滑なワクチン接種を進めてまいります。

 防災・減災の取り組みでは、「協働総合防災」を目指した町の地域防災計画に基づき、高齢者等指定避難所に指定された集会所の防災能力の強化や、スマートフォンアプリを活用した防災情報配信など、情報伝達手段の多重化に取り組むほか、防災リーダーの養成による消防団や自主防災会の充実強化を進めてまいります。

 「雨に強いまちづくり」では、新川の用水・排水分離をはじめとする排水路や雨水路の整備、町内河川の浚渫、農業用ため池の防災対策に取り組みます。

 また、消防通信指令システムの更新や消防車両の更新などを通じて、消防・救急体制の強化を図ります。

 地域福祉の分野では、高齢者や障害のある人などが住み慣れたまちで自分らしく安心して暮らせるよう、社会福祉協議会と連携し、多様化する福祉ニーズに対応するため、「絆ネットワーク」の構築支援や地域福祉センターかしのき苑の長寿命化に取り組みます。

 また、学研立地企業の人材確保と子育て世代や若年世代などの就労支援を図るため、役場庁舎内にハローワークの一部機能などを備える「せいかジョブポイント」を開設します。

 子育ての分野では、幼児教育・保育の無償化や保育所における待機児童ゼロの堅持、放課後児童クラブの充実に向けた施設整備に努めるほか、母子手帳アプリの導入により育児支援でのICT活用を図り、母子保健サービス情報提供の充実を図ります。

 健康・医療の分野では、子宮頸がん予防接種の啓発などを通じてがん予防や感染症予防に努めるほか、町民の皆様と協働した健康増進運動「せいか365」プロジェクトの推進により、現役世代の負担を抑えながら、健康寿命の延伸を目指した健康長寿のまちづくりに取り組むとともに、地域医療の拠点である精華病院の長寿命化に向けた建物の実態調査に取り組みます。

(3)未来をひらく文化と環境のまちづくり方針

 第三の方針、「未来をひらく文化と環境のまちづくり方針」では、まず「人づくり」の基礎となる教育の分野で、私の選挙公約であり、「1丁目1番地」の施策でもある中学校給食の実現に向け、防災食育センター建設事業に着手します。

 また、学校トイレの洋式化やエレベーターの防災対策に取り組むほか、国の「GIGAスクール」構想の実現に向けて整備された教育用コンピュータを活用した個別学習サービスの導入により、ICT教育の推進を図ります。

 子どもたちの目覚ましい活躍をさらに後押しするため、吹奏楽の楽器整備など、引き続き部活動への支援を行います。

 総合教育会議を通じて、教育委員会と私が連携し、悩みや課題に向き合う児童・生徒一人ひとりに寄り添った教育の実現を目指し、いじめ防止対策や特別支援員及び介助員を継続配置することで特別支援教育の推進を図るなど、「こどもを守る町」にふさわしい教育のまちづくりを進めます。

 町内の文化・スポーツ振興の拠点であるむくのきセンターについては、耐震化、長寿命化に取り組みます。

 人権の分野では、精華町人権啓発推進委員会や山城地域の市町村と連携し、誰もがいきいきと自分らしく、笑顔で暮らすことができるよう、「精華町第2次人権教育・啓発推進計画」に基づいた施策を展開します。

 環境の分野では、環境基本計画に基づいた施策の推進を図るとともに、二酸化炭素排出削減の啓発やごみの分別アプリの導入などによるリサイクルの推進を図ります。

(4)自立を目指した協働のまちづくり方針

 第四の方針、「自立を目指した協働のまちづくり方針」では、重大事件などの再発防止策として、引き続き内部統制体制整備に取り組むとともに、入札監視委員会の機能発揮などにより、透明で公正な入札制度の運用を目指します。

 行政経営では、役場庁舎をはじめ各公共公益施設の長寿命化を図るとともに、マイナンバーカードの普及促進、個人住民税税額シミュレーションシステム導入など、デジタル時代に対応した取り組みを推進します。

 地域コミュニティーの活性化では、小学校区単位でのコミュニティー協議会のモデルづくりに取り組むほか、「せいかまちづくり塾」の運営や地域課題の解決に取り組む活動に対する助成制度の創設などを通じて、地域公共人材の育成や住民主体の公共的活動を促進します。

 相楽地域における広域的課題については、相楽郡広域事務組合の枠組みで連携し、その解消に努めてまいります。

4.むすびに

 以上、私の施政方針について、説明させていただきましたが、令和3年度の予算編成では、一般会計の当初予算規模は、145億7,000万円となり、後ほど予算提案で詳しく説明申し上げますとおり、昨年度と比較して、3億7,000万円、2.6パーセントの増加となっています。

 6つの特別会計の合計では、当初予算規模は、113億9,917万4千円となり、昨年度と比較しまして、3億3,914万5千円、2.9パーセントの減少となっています。

 以上、7会計合わせて、259億6,917万4千円となっています。

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更新日:2021年03月01日