けいはんな記念公園の「水景園」「芽ぶきの森」エリアの入口です。
一歩なかに入れば、周囲のまちからタイムスリップ、まるで旅に出たようです。森林浴をしながら池の周囲を巡れば、懐かしい気ちに心が満ちてきます。
公園は、けいはんな学研都市(関西文化学術研究都市)建設を機に整備され、ことし27年を迎えます。年月を経て、従来からある永谷池周辺の里山と、新しく配置した橋や建物が溶け合い、ここにしかない風景を形づくっています。
まずは、シンボルの観月橋を渡りながら、全体を見渡しましょう。
橋は、長さ123メートル、水面からの高さ約10メートル、幅も広々とした壮大な造り。格子状の橋脚は、どこか寺院建築のような伝統の雰囲気を漂わせます。
左手、起点となるビジターセンター前には棚田があります。初夏には田植え、秋は稲刈りが営まれ、日本の里の四季を再現します。池では沢飛び石を渡って遊ぶ人も。鮮やかな鯉たちが動く池の模様のようです。
観月橋の右手に目を向けると、奇観にびっくり。高さ6~7メートル、重さ何十トンもの巨石が150メートルに渡って屏風のように立ち並びます。石は「錆石」と呼ばれて珍重された岡山県犬島産の御影石。島で切り出され、瀬戸内海を渡って大阪湾に上陸、トレーラーではるばる精華町にやってきました。地上に降りれば巨石の間を歩くこともできます。水しぶきが掛かる滝もあり、穏やかな水景園の風景と違い、荒々しい太古の自然を探検家気分で味わえるエリアです。
巨石群を抜けると、趣ある紅葉の庭園が迎えてくれます。若葉の頃、そして、燃えるような紅葉の秋に再び訪れるのが楽しみです。橋の終点はギャラリーや相楽木綿伝承館がある観月楼。休憩スペースもあり、ほっとひと息。これからの森歩きに備えましょう!
永谷池を囲んで起伏に富んだ周遊路があり、いくつかのルートを選んで散策を楽しめます。冬の日、コナラやアカマツの林を歩けば、サクサクと落ち葉を踏む音。池ではマガモやオシドリなど冬鳥が羽を休めています。雪の日には鳥の足跡・バードトラックが見つかるかもしれません。
この永谷池は江戸期の記録にも残るため池で、土地の記憶を伝えるモニュメントが点在します。池の北西端あたり、トンネル状の小さな煉瓦組と出合いました。以前、このあたりは京都の暮らしを支える穀倉地帯でした。精華町を南北に貫く煤谷川から農業用水を引くため、隧道2本の大工事に着手したのが大正4(1915)年。地域の誇りでもある歴史を伝えるため、当時の記念碑を移設し、隧道の出入口を復元したそうです。
山手の道に入ってみましょう。ちょっと上りのハイキングコースですが、丸太の階段が整備され、安心して歩けます。「ひかりの峠」を登りきり、木漏れ日の中を下る足元は野生のツツジの群生地です。冬は樹々と語らう静かな森ですが、春に向かう日々、山野草のかれんな花々が目を楽しませてくれるでしょう。
池沿いの周遊路に戻り、木守りの柿の向こうに里棚田が見えてきました。ぐるり約1・2キロ、小一時間が目安ですが、ベンチで本を読んだり、ギャラリーを覗いたり、自由に過ごせば1日満喫できるはず。
ひとり時間もいいですが、さまざまなイベントに参加すれば、気の合う仲間にきっと出会えます。
明治から昭和10年頃に作られた相楽木綿は、藍染の紺地に色糸の縞と絣模様を織り込んだ上品な風合いが特長。観月楼地階の伝承館では各工程を紹介、相楽木綿の会の手ほどきで体験も。(冬期休みあり)
花や鳥、虫たちの季節や生息場所を知れば散策はもっと充実。公園では「花暦」「紅葉」「花に集まる生き物」「野鳥」など5種のガイドマップを用意。4エリアの自然をオールカラーで紹介します。あなたはいくつ出会えるかな。各100円
観月橋には地動説を唱えたコペルニクスがカラスに乗って月を見上げます。立体格子の上ではガリレオの子孫たちが逆立ちしたり、寝そべったり。あなたを思索の旅に誘います。イタリアのフェデリコ・ボナルディ作。
水景園ではコンサートやジャズ・ライブをはじめ、天体観測、夏のホタル観賞会や秋の観月の夕べ、展覧会、園内の花や樹々を活用した教室など、四季を体感できるイベントがいっぱい。花壇整備のボランティア活動、乳児から自然に触れる「ひなっこクラブ」もおすすめ。ぜひHP をチェックしてみてくださいね。
相楽郡精華町精華台6-1 | |
9:00~17:00 (入園16:30 / 夜間開放日は延長) | |
入園料 水景園(芽ぶきの森含む) 一般200円 小・中学生100円 未就学児は無料。 各種割引あり。詳しくは事務所へ | |
年末年始(12/28~1/4) 臨時休園有 | |
https://keihanna-park.net/ | |
0774 - 93 - 1200 (けいはんな記念公園管理事務所) |