Seika Town Kyoto
知っているようで知らない精華町
その魅力を再発見するWEBマガジン
1 | January 2024

農業をたのしく、楽に、安全に。トレファームラボ®

国立国会図書館関西館から道を挟んで西側に並ぶビニールハウス。ここは東レ建設(株)が展開する農業施設の実証実験農園「トレファームラボ」です。ここでは精華町ならではの魅力に出会えます。

トレファームラボ®

農業を「たのしく、楽に、安全に」誰もが気軽に本格的に

 株式会社国際電気通信基礎技術研究所(ATR)の一角にそのビニールハウス群はあります。背景には丘陵が広がり、思わず深呼吸してしまう景色です。
 2つのスマイルが印象的なトレファームラボの看板を横目にビニールハウスの扉を開けると、そこには全面のグリーンが広がります。普通の畑と違うのは、その一面が地面よりも高い位置にある砂の培地ということ。トレファーム®の砂培地は地面から約90cmの場所にある高床式なのです。
 トレファーム®は「たのしく、楽に、安全に」をテーマとした農業施設。高床式にすることで、腰を屈める作業が苦手な方や、車いすに乗った方など、一般的な農地では作業が困難な方でも農業を楽しむことができます。高床式砂培地以外にも、自動潅水システム、シェアリングシステムなど誰もが気軽に本格的に農業に取り組める仕組みがトレファーム®にはあります。
 育てられているのはレタス、ベビーリーフ、エディブルフラワーなど。少し栽培にコツのいるトマトやメロンなどは東京農業大学の教授が指導に来てくださっています。
 もちろん!精華町名物「洛いも」も栽培されています!

ATRとは?なぜ、精華町に? 

 ATRは脳情報科学、深層インタラクション、無線通信などの情報通信分野と生命科学に関する研究開発および事業化を行っているけいはんな学研都市の中核機関です。
 精華町のATRの中に、なぜトレファーム®の研究施設にあたるトレファームラボはあるのでしょうか。そこにはある農業の効果に秘密がありました。農業が人の脳にもたらす効果が注目されていたからです。
 植物を育てたことのある方なら経験があるかと思います。地面から出た芽を見た時のよろこび、葉や茎に触れた時に感じるなんともいえない生命力、そして収穫した時の充足感。
 そのような植物を育てることが人の脳にもたらす様々な効果について、脳情報科学を研究するATRとトレファーム®を開発した東レ建設(株)が科学的に立証しようとしたことをきっかけに精華町の地にトレファームラボが誕生しました。

農業の可能性の発見~トレファームの研究・開発

 ATRと東レ建設(株)はシェアリングシステムの開発と住民参加による実証でも協働し、精華町のトレファームラボは、農業をするだけではなく、農業の持つたくさんの可能性を見出し、その成果を世の中に還元する場になっています。現在、トレファーム®は全国の色々な場所で活用されています。例えば、トレファーム®が併設された福祉施設ではお住いの方が野菜を栽培し販売まで取り組まれています。それらの取り組みによって入居者の活気やコミュニケーション量が向上するなど、うれしい効果が確認され、介護の在り方が見直されてきています。
 それ以外にも、公園や複合施設でのコミュニティ形成の核としての農業の活用、アプリを活用した産直野菜の予約販売、ポリエステル繊維を再利用したサスティナブル培地の活用など様々な取り組みが進められています。今後益々のトレファームラボからの研究・開発が期待されます。

全国から人が集まる場所

 最後にもうひとつ、トレファームラボの魅力をお伝えします。それは、精華町だけではなく全国から人が集まる場所であるということです。トレファームラボでは精華町をはじめとした地元の人たちがスタッフとして働いています。それ以外にもたくさんの人たちが訪れます。京都橘大学や南山城支援学校の生徒さんは演習や校外活動の一環としてトレファームラボで野菜を育てています。トレファーム®の活用を検討する人たちも全国から見学に訪れます。
 精華町は自然が豊かで住みよい街ですが、それと同時に、多くの企業が集まり、地域を越えて人が集まり、イノベーションを身近に感じられます。そんな環境が精華町ならではの魅力といえるのではないでしょうか?

 トレファーム®は現在、一般の方へ向けて開放はしていませんが、トレファーム®事業に興味のある方は見学することができます。(※要予約)
 ATRのオープンハウス、けいはんなオープンラボなどイベント開催に合わせて入場できる日もありますので、ぜひ情報をチェックしてみてください。

トレファームラボの野菜はここで食べられます!

 cafeここらく、COCONIでは、トレファームラボの野菜を使ったサラダやお惣菜を食べることができます。
 またこの2店では精華町つながりサポート事業の一環として、みんなのための語らいの場「ここいこ広場」が定期的に開催されています。  日常のちょっとした悩みから将来のことまで、人と話してリフレッシュしたい方はぜひ参加してみてください。

information

トレファームラボ®

location_on〒619-0237 京都府相楽郡精華町光台2-2-2 
flag ●問い合わせ連絡先
(株)国際電気通信基礎技術研究所(ATR)内
東レ建設(株)トレファーム事業推進室 藤本 勉
call070-2299-8356
mail tsutomu.fujimoto.a3@mail.toray

精華町民ライター
プロフィール

高木 貴子Takako Takagi

京都市出身。2016年から精華町在住。都会とも田舎とも違う精華町の街並みと広々としたキレイな道路がお気に入り。

メタセコイア並木の紅葉

 精華大通のメタセコイア並木は、こんなに素晴らしく紅葉しました。三列に渡る沢山のメタセコイアの木々は、樹形が美しく見応えがあります。令和6年の秋、お見逃しなく。
 (精華町民ライター 宇野)

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