祝園神社(ほうそのじんじゃ)

社記によれば、崇神天皇の時代に、この地で討伐された武埴安彦(たけはにやすひこ)の亡魂が鬼神となって柞ノ森(ははそのもり)にとどまり、人々を悩ませていた。これを鎮めるため、春日大明神を勧請して創立されたと伝わっています。

現在に伝わる奇祭「いごもり祭」も、斎戒沐浴(さいかいもくよく)して祈願を行ったことに始まるといわれています。

文献では、「新抄格勅符抄」に「祝園神」の名が見えるのが最古であり、少なくとも、奈良時代には確実に存在していたと思われます。その後「延喜式神名帳や「三代実録」に名が見え、嘉吉元(1441)年に書かれた「興福寺官務牒疏」には在僧2人、祝主3人、神人3人がいたことが記されています。

本殿:1棟[京都府暫定登録文化財]

江戸時代の建立です。

表門1棟[京都府暫定登録文化財]

江戸時代の建立です。

棟札

現存する棟札は江戸時代のもの6点ですが、「当社度々造営日記」(木札)と文政7(1824)年の棟札写(木札)を総合すると、合計18回の造営・修理の事実を復元することができました。ただし、そのうちの1回、安永5(1776)年の分は「祝園森薬師寺」という寺の再建です。再建にあたって水難を避けるため、6尺の地上げをしたことが書かれています。

正徳3(1713)年の棟札には、前年8月19日に「前代未聞」の大洪水に見舞われ、社殿が大破したことを伝えています。この大洪水は、木津川周辺の村々に大きな被害をもたらしました。今も地元の人々から「正徳の水害の時に」という言葉が出るほど、語り継がれてきた災害でした。

同神社の棟札は、洪水の記録や地上げの記録を含み、木津川周辺の村の歴史をしのばせる点でも興味深いものです。

<所在地> 精華町大字祝園小字柞ノ森1番地
<連絡先> 0774-94-3770
祝園神社
拝殿
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更新日:2019年03月15日