春日神社の弓始式

春日神社(菱田地区)では、毎年1月10日、五穀豊穣を祈る神事として弓始式が行われます。

式が始まるのは午前9時頃、浄衣に身を包んだ2人の宮守(みやもり=宮の番をする者)が神事を執り行います。
まず、神殿に向かって慇懃にお辞儀をし、神事の無事と五穀豊穣を祈願します。次に神饌(しんせん=供えられた飲食物)の前で弓の的に拝礼して神事の開始を告げると、神矢といわれる弓矢を10本ずつ放ちます。的はその年の恵方にあたる方向に設置され、的の中心に多く当たった年は豊作になるといわれています。

神事が終わると的は解体され、的を組んでいる竹で小さな串を作ると、その串に的紙を小さくちぎって差し込みます。的の黒い部分が多いほうが豊作に恵まれるとされています。
的紙が差し込まれた串はその年、田への水入れが行われる際に水戸口(水路から田に水を流し込む部分)の近くに花を添えて飾られ、健全な育苗を祈ります。  

神饌と直会

神饌は、高盛りされた蒸米1升をわらで巻いたもの1体、神酒1升(1体)、1匹(1体)、里芋を逆のT字にした形の竹に突き刺したもの1体、計4体です。

神饌は神事の後に開かれる直会(なおらい=神事の参加者で神酒や神饌を飲食する行事)で食されます。鯖と里芋は炭火で焼かれ、蒸米とともに箸を使わず手づかみで口にします

食事作法からみても、古くから行われてきた神事であることが伺えます。  

弓始式。左側には衝重(ついがさね)に載せられた神饌が並んでいるのが見えます。

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更新日:2019年03月15日