DVに気付いてください(2) vol.85(令和元年12月号)

DVは、被害者にも同居する子どもにも深刻な影響を及ぼします。DV被害を受けているのに、被害者はなぜ加害者から離れないのでしょうか?

 

将来へのさまざまな不安

被害者は、加害者から離れた後の経済的な不安、新たに住居や仕事を見つけることや子どもの養育に関する不安など、数々の不安を抱えています。加えて、住み慣れた家や環境、仕事、人間関係、家族の形など、それまでの人生で築いてきたものの多くを失う恐れもあります。

また、被害者は加害者に「逃げたらもっとひどい目にあわせてやる」などと脅され、身動きが取れないこともあります。

 

DVのサイクルの影響

DVには「イライラがたまっていく緊張期→暴力をふるう爆発期→謝ったり優しくしたりするハネムーン期」というサイクル(周期)があることが多く、加害者はDVの後で謝ったり優しくしたりするため、被害者はとても混乱します。

DVは配偶者や恋人といった親密な相手から受けるため、被害者は実際にはひどいことをされているのに「優しい時もあるからDVではない」「DVがない時はいい人だ」と思おうとし、実際にDVが起きて被害を受けている現実を客観視することが難しくなってしまうのです。

また、被害者は繰り返されるDVによって自信や自己肯定感を奪われています。辛いDVに耐えるため、自分の感覚や感情を麻痺させて生活していたり、自分が本当はどうしたいのかわからなくなっていたりする場合もあり、簡単には加害者から離れる決断ができないのです。

 

DV家庭で育つ子どもたち

子どもの前でのDVは児童虐待にあたります。DVのある家庭は緊張した空気に包まれ、子どもは不安や恐怖などのストレス状態に置かれるため、心身にさまざまな症状が現れます。

子どもが初めて目にする人間関係は両親です。DV家庭で育つ子どもは、問題解決の方法としてDVを用いることを学んでしまうことがあります。「子どもだからわかってないはず」ではなく、「子どもだからこそ敏感に感じている」のです。

 

一歩踏み出し相談しましょう

DVかなと思ったら、早めに専門機関に相談してください。あなたの人生も子どもの人生も大切です。あなたのためにも子どものためにも、DVのない安全で安心できる環境に身を置くことが重要です。一緒に考えましょう。

 

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更新日:2019年12月04日