気をつけて!『AV出演強要』 vol.89(令和2年4月号)

 

AV(アダルトビデオ)とは、性行為など露骨な性描写を主とした成人向けの映像作品のことです。ほとんどAVを見たこともない若い女性が、脅されたりだまされたりしてAVへの出演を強要され、望まない性的な行為をさせられるのが「AV出演強要」です。被害者がAVの販売停止・回収を望んでも、流通した映像を完全に回収するのは難しく、「AV出演強要」は若者の人生を大きく狂わせます。4月は進学や就職などで生活環境が大きく変わり、このような被害に遭いやすいため、国は「AV出演強要・『JKビジネス』等被害防止月間」として注意喚起しています。

 

巧妙な勧誘の手口

タレントやモデルなど、華やかに見える世界に憧れることは、若い人にはよくあることです。芸能人がテレビなどで「街でスカウトされて芸能界に入った」と話していたりすると、「スカウト」が憧れの世界への入り口だと思い、そこに潜む危険に考えが至らないことがあります。スカウトする側は、女性のそういう気持ちに巧みに付け込みます。

「モデルにならない?」などと若い女性をスカウトし、中身をよく説明せずに契約させ、実はモデルではなくAVの撮影現場に連れて行きます。女性が撮影を嫌がると、「契約違反だから多額の違約金を請求する」「親や学校にばらす」などと脅迫し、逃げられないような状況に追い込み撮影を強要します。スカウトする側は、女性を「稼げる道具」としか見ていません。スカウトした女性がAVに出演すれば、自分の報酬になるからです。

 

被害者を責めないで

「甘い誘いに乗った被害者にも落ち度がある」と被害者を責め、自己責任だと切り捨ててしまうのはあまりに短絡的です。このような風潮があると、ただでさえ声を上げにくい被害者がますます声を上げにくくなります。

その結果、詐欺(さぎ)や脅迫という不当な手段でAV撮影に及ぶ加害者が野放しになり、さらに被害が広がることになるのです。責められるべきは加害者です。

 

勇気を出して相談を

「AV出演強要」や「JKビジネス」による被害は、ひとりで解決することが難しい問題です。詐欺や脅迫などによる契約は取り消すことができ、違約金を払わなくて良い場合もあります。被害に遭ったら、迷わず相談しましょう。


<相談先> 京都府警察本部 075-451-9111

 

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更新日:2020年04月03日