ポジティブ・アクションとは? 男女共同参画ミニ通信vol.56(平成29年7月号)

「ポジティブ・アクション(積極的改善措置)」とは、一般的に、社会的に不利な立場に置かれている者に対して、実質的な機会の平等をめざして行う暫定的な取り組みのことをいいます。

日本における女性の参画は、他の先進諸国と比べるとまだ低い水準にあります。それは、わが国には固定的な性別役割分担意識が根強くあるためで、現状では男女の置かれた社会的状況にはさまざまな格差があります。そこで、男女間の格差を是正するための効果的な取り組みが必要とされ、その方法のひとつがポジティブ・アクションです。
ポジティブ・アクションには、性別を基準に一定の人数や比率を割り当てるクオータ制や、達成すべき目標と期間を示してその実現に努力するゴール・アンド・タイムテーブル方式など、多様な手法があります。

企業におけるポジティブ・アクション

例えば、勤続年数が長い女性労働者が多数いるにもかかわらず、管理職になっている女性が男性と比べて極めて少ない企業の場合、「3年間で女性管理職20%増加」という目標を掲げ、昇進・昇格基準の明確化や、女性に対する昇進・昇格試験受験の奨励、女性管理職候補者を対象とする研修の実施などを行います。
こうした取り組みによって、女性労働者のモチベーションが向上したり、男性労働者が刺激を受けたり、女性ならではの視点や細かな配慮による新たな価値観が生み出されたりしています。

政治分野では…

日本の衆議院議員に占める女性議員の割合は9.3%です。国会議員(下院又は一院)に占める女性の割合を国際的に比較すると、平成29年1月現在、日本は193か国中163位という下位にあります(内閣府男女共同参画局作成「女性の政治参画マップ」より)。
諸外国において女性議員が増加した背景には、女性の政治参画の拡大に向け議席や候補者の一定割合を女性に割り当てるクオータ制の導入があります。
政治分野における女性の参画は、政治に多様な民意を反映するために極めて重要です。遅れている日本の政治分野での男女共同参画を諸外国並みに押し上げるには、今後、クオータ制などのポジティブ・アクションの導入が必要になるかもしれません。

この記事に関するお問い合わせ先

住民部 人権啓発課 男女共同参画係
〒619-0285 京都府相楽郡精華町大字南稲八妻小字北尻70番地

電話番号:0774-95-1919
ファックス:0774-95-3974
メールフォームによるお問い合わせ

更新日:2019年04月07日