性別は男と女の2つだけ? 男女共同参画ミニ通信vol.51(平成29年2月号)

あなたは性別を聞かれたら迷うことなく答えることができますか。世の中には、性別を記入する時やトイレに入る時、男性と女性の2つしか選択肢がないと戸惑いや違和感をもつ人々がいます。なぜなら、人間の性には体の性だけでなく、自分自身が自覚している心の性(性自認)や、恋愛対象になる性(性的指向)などの要素があり、単純に男性か女性かに二分できない多様なものだからです。「性的マイノリティ」とは、「体の性と心の性が一致していて、恋愛対象は異性」という多数派には当てはまらない少数派の人たちのことをいいます。

性的マイノリティの生きづらさ

性的マイノリティの総称のひとつにLGBTという言葉があります。LGBTとは、レズビアン(女性同性愛者)・ゲイ(男性同性愛者)・バイセクシュアル(両性愛者)・トランスジェンダー(体の性と心の性が一致せず違和感を持つ人)の頭文字を合わせた言葉です。日本には、電通ダイバーシティ・ラボ 2015調査によれば、性的マイノリティの人々が人口の7.6%、13人に1人の割合でいるといわれており、案外身近な存在なのです。
自分の体の性と心の性が一致していないことや、性的指向に気づく年齢には個人差があります。就学前に気づく人もいれば、思春期やそれ以降に気づく人もいます。性的マイノリティであることは、その人のパーソナリティそのものであり、「治る」「治す」といった性質のものではありません。
しかし、自分が周囲と違うと感じても性的なことは相談しにくく、誰にどう相談すればいいか情報が乏しいこともあり、悩みを一人で抱えて孤立しがちです。性的マイノリティの人々は、周囲の無理解や偏見のため、いじめにあいやすく、自殺リスクが高いということもわかってきました。
「性別は男女の2つしかない」「好きになる性は異性に決まっている」という固定観念が、性的マイノリティの人々を生きづらくさせています。  

進む理解 変化する社会

文部科学省は、性的マイノリティの子どもに配慮を求める通知を全国の小中高校などに出し、「児童生徒が自認する性別の制服を認める」「着替えの際に皆とは別に保健室の利用を認める」などの支援策を示しました。
また、東京都渋谷区などが同性婚を「結婚に相当する関係」と認めて証明書等を発行し、企業が同性パートナーにも慶弔休暇や介護制度の利用を認めるなど、性的マイノリティに対する支援や制度が少しずつ整ってきました。
正しい知識を持って、違いを認め合える社会を作っていきましょう。

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更新日:2019年04月07日