有機フッ素化合物(PFAS)について

有機フッ素化合物とは

有機フッ素化合物は、独特の性質(水や油をはじく、熱に強い、薬品に強い、光を吸収しない等)を持ち、撥水剤、表面処理剤、乳化剤、消火剤、コーティング剤等に用いられてきた化学物質です。PFOS(ピーフォス)、PFOA(ピーフォア)などが知られていますが、これらの物質は環境中で分解されにくく、近年、環境残留性や蓄積性、長期毒性の疑いなどから国際的に製造等が禁止される動きがあります。

主な用途

PFOS・・・泡消火薬剤、金属メッキ、半導体等

PFOA・・・泡消火薬剤、食品包装紙、石材等

人の健康の保護に関する「要監視項目」

環境省は令和2年5月27日にPFOS及びPFOAを人の健康の保護に関する「要監視項目」に追加し、暫定的な目標値を50ng/L以下(PFOS及びPFOAの合計値)に設定しました。この目標値は、体重50キログラムの人が、1日当たり2リットルの水を一生涯にわたり摂取しても健康に対する有害な影響が現れないと考えられる値として設定されています。

人の健康の保護に関する「要監視項目」とは、「人の健康に保護に関連する物質ではあるが、公共用水域等における検出状況等から見て、直ちに環境基準とはせず、引き続き知見の集積に努めるべきもの」として設定されたものです。

水道水における混入調査について

水道水の水質基準に関する人工有機フッ素化合物についてはPFOS及びPFOAが対象とされており、これまで「要検討項目」に位置付けられておりましたが、水道水の原水や浄水から検出されている状況が続いていることを受け、浄水場における水質管理を適切に行う観点から、「水質管理目標設定項目」へと位置づけが変更されるとともに、令和2年4月1日に、PFOS及びPFOAの合計50ng/Lの暫定目標値が設定されました。

そのため、必要に応じて水道法による水質検査に準じた水質検査が要請されています。

本年度、12月時点において実施した水質検査結果につきましては、暫定目標値を超えるような数値は検出されておりません。

フッ素樹脂コーティングのフライパン

以前までは、焦げ付きを防ぐため、フッ素樹脂コーティングされたフライパンが市販されており、フッ素樹脂を製造する際の助剤にPFOAが使用されていましたが、日本弗素樹脂工業会によると、主要フッ素樹脂製造者は2015年までに自主的な環境対応を完了しており、現在は使用されていない状況です。また、2015年以前に製造されたフライパンに関しても、PFOAはほとんど製品には残存していないことが明らかになっていますので、心配する必要はないと考えられます。

自宅で使われている消火器や消防本部保有の泡消火薬剤

家庭にある一般的な粉末消火器にはPFOS及びPFOAは使われていません。

その他、過去に製造された中性強化液消火器や機械泡消火器については、PFOS又はPFOAを含有している場合があります。

下記のリンクを参考にご確認ください。

一般社団法人日本消火器工業会ホームページ

また、全国の消防本部・消防署が保有しているPFOS等含有泡消火薬剤については、消防庁通知に基づき、令和4年度末までに計画的に廃棄することとされています。

なお、精華町消防本部では合成界面活性剤泡と呼ばれる薬剤を消火活動において使用しており、人的な害はなく、環境面でも極めて影響が少ないとされるものであり、PFOS・PFOAが含有されているものの保有、使用実績はありません。

健康への影響について

PFOS及びPFOAは、化学的に極めて安定性が高く、水溶性かつ不輝発性の物質であるため、環境中に放出された場合には河川等に移行しやすく、また難分解性のため、長期的に環境に残留すると考えられています。

これらの人の健康への影響については、各国・各機関で知見が集積されつつあるものの、現時点において、発がん性等の毒性について国際的に統一された評価値はありません。

今後も、関係機関などの正確な情報収集に努め、適宜、正確な情報をお伝えしていきます。

水質汚濁防止法施行令の一部改正について

水質汚濁防止法施行令の一部を改正する政令が公布され、令和5年2月1日から施行されることとなりました。

PFOA及びその塩、PFOS及びその塩、アニリン並びに直鎖アルキルベンゼンスルホン酸及びその塩の4物質を水質汚濁防止法第2条第4項に規定する「公共用水域に多量に排出されることにより人の健康若しくは生活環境に係る被害を生ずるおそれがある物質」(以下、「指定物質」という。)に追加することで、事故時における公共用水域及び地下水の水質汚濁を防止することを目的としています。

改正令の施行に伴い、これらの指定物質を製造、貯蔵、使用又は処理する施設を有する指定事業場の設置者は、指定施設の破損その他の事故が発生し、指定物質が公共用水域に排出、又は地下に浸透し、人の健康又は生活環境に被害を生ずるおそれがあるときは、直ちに、応急の措置を講ずるとともに、講じた措置の概要を都道府県知事等に届け出ることが求められます。

PFASに対する総合戦略検討専門家会議について

PFASの一つであるPFOSやPFOAについては、人の健康の保護の観点から、その目標値や基準に関し国際的にも様々な科学的議論が行われています。

環境省では、こうした状況を受けて、国内外の最新の科学的知見及び国内での検出状況の収集・評価を行い、これらを踏まえた科学的根拠に基づくPFASに対する総合的な対応を検討することを目的として、学識経験者等からなる「PFASに対する総合戦略検討専門家会議」を水・大気環境局に設置しました。

詳しくは下記のリンクをご覧ください。

PFASに対する総合戦略検討専門家会議について(環境省)

参考

この記事に関するお問い合わせ先

健康福祉環境部 環境推進課 環境保全係
〒619-0285 京都府相楽郡精華町大字南稲八妻小字北尻70番地

電話番号:0774-95-1925
ファクス:0774-95-3973
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更新日:2023年12月22日