令和4年度に海外体験補助金を受けた方

・中村 萌々さん

留学先:オーストラリア

留学期間:令和5年1月22日~令和5年4月3日

 今回の留学では、一生徒としてだけでなく、一人の人間としても大きく成長できたものになったと感じています。アフターコロナとなった今、オーストラリアに行き、1タームだけではありましたが、year10の地元の生徒たちと同じように過ごしました。

 オーストラリアは「移民の国」と呼ばれているように、本当に多くの国籍の方が住んでいて、学校でも欧米系、アジア系など様々なバックグラウンドを持った生徒たちが一緒に勉強していました。日本では外国人を見かけると「観光客」と思い、良くも悪くも彼らに対して偏見や差別を持ってしまう人が多いと思います。その反面、オーストラリアでは英語をあまり話せない留学生に対してさえも変な差別や偏見を持ってる人は誰もいませんでした。むしろ「外国人」という概念が無いと言った方が正しいのかもしれません。

 私が参加したSt Paul'sは日本の高校とは違い、year7(中1)から必須科目と選択科目があり、選択科目には日本語、中国語、ビジネス、家庭科などがあり、私はバディ(学校で常に一緒に行動する生徒)と同じビジネスと家庭科を選択しました。特にビジネスはコロナ禍の経済を学び、とても興味深かったです。また、ほとんどの授業でパソコンを使い、授業によってはノートを一切使わない時もありました。このような学校生活で、私は日本の高校よりも将来に役立つであろう勉強ができたと感じています。課題のレポートもWordやExcel、そしてPower Pointを使って書いたため、知識や教養だけでなく、パソコンのスキルすらも学ぶことができました。

 ホストファミリーは、過去に8人ほどの留学生をホストしてきた家で、とても慣れていた為、英語が聞きとれないとゆっくり話してくれたり、分からないことがあれば何でも親切に教えてくれました。なので、留学が終わる頃には彼らを本当の家族と思えるくらい、とても深い関係を築くことができました。

 高2の冬から春にかけての10週間は受験勉強にも大きく影響するため、行くことに最初は不安を感じていましたが、終わった後振り返ってみれば、本当に行って良かったと思うし、行かなかったら絶対後悔していただろうと思うくらい、この「今」しかできない経験ができたと思います。大学でもまたブリスベンに長期で留学したいと考えるようになり、それが現実となるようにこれからも頑張りたいと思います。

 

・林 康陽さん

留学先:中国

留学期間:令和4年10月18日~令和5年7月2日

 私は中国で今しか味わえない体験をしたと思います。

 留学が始まった時はゼロコロナ政策の真っ只中で、3週間の隔離に加えて学校封鎖など、思っていた留学生活とはかけ離れていました。その後、中国北京では厳しすぎる中国政府の政策に対し学生運動が起こり、北京大学もその一つでした。その後、政府は政策の急激な緩和を図り、コロナウイルスは大多数の市民へと感染。私自身、異国の地で初めてのコロナ治療をしました。異様な緊張感を味わった留学生活前半でしたが、政策緩和と同時に、私の留学生活にも自由が訪れました。特に冬休みには日本での生活とほぼ変わらないくらい安定したものになったように思います。冬休みにはバックパック一つで、マイナス27度にもなる北の都ハルビンから2月にして20度の雲南まで旅行に出かけました。その中で、本当に多くの人たちに出会いました。一生懸命勉強してきた中国語がある地域では全然通じなかったり、少数民族の方達に出迎えられご飯を食べさせてもらったりなど、記憶に残る旅となりました。

 また北京に帰ってからは初めての対面授業が始まりました。さまざまな国の人と授業を受ける中で、中国語が私たちの中で公用語となっている事実に成長を感じ、嬉しい気持ちになりました。時には、老子と荘子の考えに分かれてディベートをしたり、中国の各色の感覚や識別について中国語を用いて発表したりなど、以前の私の中国語レベルではできなかったことができるようになりました。

 授業以外でも成長を感じられた場面はよくありました。私は3人の韓国人と4人でよく一緒に遊んでいたのですが、彼女たちと朝まで徹夜で勉強したり、飲み明かしたりなど、普通に不自由なく交流をして一緒に時間を過ごすことができていることに対して幸せや成長を感じました。また隔離を通して環境を変えていく必要性を感じ、日本語学科のアシスタントとして授業に参加させていただいたり、韓国語のサークルに所属し現地の学生と交流をしたりもしました。ゴールデンウィークや夏休みには、韓国人の友達と2人で旅行に行きました。私にとっては初めての外国人との二人旅で不安もありましたが、留学の中でも特に印象深い思い出となりました。彼とはこの夏お互いの国を旅行する予定です。このように、かけがえのない仲間たちに恵まれた、最高に楽しい留学でした。中国を知らなすぎるという理由で飛び込んだ留学でしたが、隔離や学校封鎖、コロナ、インフルエンザなどの困難も体験し、かつ外側からは見えない魅力をたくさん自分の目で見ることができたと考えます。

 私が今思うことは、中国は日本と似てないようで似ている国です。日本に中国が嫌いな人がいるのと同じように、日本が嫌いな人も一定数いるでしょう。しかし多くの人は興味がない人たちです。私の印象が大きく変わったように、興味がない、知らない人たちの考えは変えることができるのかもしれません。日中友好に向けて、私ができることを探し続けていきたいです。

 

・小山 穂乃香さん

留学先:ドイツ

留学期間:令和4年9月3日~令和5年8月8日

 ゲーテ大学では留学生向けのドイツ語クラスに加え、日本の妖怪文化について「ゲゲゲの鬼太郎」を読みながら理解を深める授業、新聞やニュースを見て自分の意見を述べる英会話の授業などを受講しました。ドイツ語も英語も留学前まである程度学習していましたが、ドイツに留学してはじめて、読み書きにはあまり問題がないものの会話がしどろもどろになってしまうということに気づきました。それは日本では外国語の実践機会が少ないのが原因でしたが、ドイツという日本語が通じない異国に一人で約一年身を置くことでドイツ語・英語の会話能力がかなり上達したように思います。

 私が留学していたフランクフルトには日本人も比較的多く、毎週語学学校の空き教室で開催されていた日独交流会に参加し、日本の文化や言語に興味のあるドイツ人との異文化交流を楽しみました。また、現地のドイツ人だけではなく様々な国出身の友人も得ることもできました。オンラインではない外国人の友達を作るのは初めての経験で、文化の差に戸惑ったり言いたいことがうまく言えずもどかしい思いをすることもありましたが、一緒にプレゼン課題をこなしたりお互いの母国の料理を振舞ったり一緒におでかけしたりと充実した一年を過ごすことができました。何人かは長期休暇の際に私を実家に招いて家族ぐるみで温かく迎えてくれました。

 そして留学中の11ヶ月でヨーロッパ内15カ国ドイツ国内20都市を巡りました。同じヨーロッパというくくりでも国・地域によって言語、食文化、建築物などが異なり大変興味深かったです。

 最後に、人生初の一人暮らしが異国であったこと、ドイツ語クラスのレベルが実力より上でついていくのに必死だったこと、初めての海外長期滞在で大小のカルチャーショックを経験したことなど、くじけそうなことは多々ありましたが、困難を乗り越え友人たちと切磋琢磨することでこの一年で大きく自分を成長させることができたと胸を張って言うことができます。日本から出て初めて気づくこと、学ぶことが多いと改めて感じたので留学に興味を持つ人はぜひ奨学金を利用して積極的に海外に飛び立ってほしいです。

 

・岡田 陽菜乃さん

留学先:アメリカ

留学期間:令和4年8月16日~令和5年5月13日

 今回の留学を通して、アメリカ人だけでなく世界各国の友人ができました。それぞれ違った文化・習慣・宗教を持つ友達と過ごす日々で色々な価値観や考え方を吸収できました。体験談としては、テスト期間の過ごし方と、イスラム教の生徒のラマダンがとても印象的でした。

 テスト期間は、私としては図書館にこもって朝から晩まで勉強をすることが当たり前の過ごし方であり、いい成績をとるにはそうあるべきだと思っていました。しかし、アメリカ人やヨーロッパ人の友達はテスト期間でも一日中勉強することはなく、必要な分を早く終わらせて残りの時間はリラックスして過ごしていました。長時間勉強することが大切だと思っていた私にとっては、彼らの過ごし方やテストに対する捉え方はとても衝撃的でしたが、一日中勉強しないといけないという私の考え方はテスト期間における一日にできることの可能性を潰してしまっていたことに気付きました。

 また、イスラム教徒の友達は、春学期の1ヶ月間を太陽が出ている間は飲食はしない「ラマダン」をしていました。私は、留学をするまでラマダンについて知らず、宗教に関する知識もありませんでした。イスラム教ではない私からすると、日中ご飯を食べないことはとても辛そうで、自分には絶対にできないと感じましたが、彼らには彼らの宗教背景や理念があり、全てに意味があって物事が起こっているのだと思うととても感慨深かったです。

 留学の成果としては、英語力とセルフマネジメント力が上がりました。学校の授業ではできるだけいい成績をとることを目標に常に勉強に励み、日々の生活でアクシデントや予想外の出来事に自分の力で解決すること、自分の時間の使い方を管理する力がつきました。

 

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更新日:2023年11月15日