令和8年度施政方針

令和8年度施政方針演説~令和7年度精華町議会定例会3月会議町長挨拶要旨~

1.はじめに

精華町議会議員の皆さん、おはようございます。

本日は、令和7年度精華町議会定例会3月会議にご出席を賜り、誠にありがとうございます。

令和7年度におきましても、議会運営では一年を通じて柔軟なご対応をいただき、誠にありがとうございました。

改めて、御礼申し上げます。

さて、本日は、令和8年度の当初予算案をはじめ、新年度の町行政全般に関わります諸議案を提出させていただく、重要な会議でございます。

そこで、岡本議長様のお許しを得まして、議案提出に先立ち、町政運営にあたります私の所信の一端を、申し上げる次第でございます。

令和5年10月に町民の皆様からの信託を得て、二期目の町政をお預かりしてからはや2年が経過し、私の任期も折り返しを過ぎました。

この間、議員の皆様のご理解とご協力を賜る中で、16項目の公約の多くについて達成し、或いは進捗を図ることができたと考えております。

しかし、まだまだ満足することはできません。

公約を実現し、町政をさらに加速させるべく、本日、令和8年度当初予算案を提案いたします。

今、本町は、自立のまちに向けての分水嶺にあります。

すべては「精華町の未来のために」

学研都市精華町の将来にわたる発展を決定づけるため、新たなまちづくりのステージへと前進させなければなりません。

私は、総合計画が掲げる将来像「人がつながり夢を叶える学研都市精華町」の実現のため、全身全霊でまい進してまいります。

2.基本認識

 それでは、まず町政を取り巻く内外の情勢に対する、私の基本認識を3点申し述べます。

(1)国際情勢について

一つ目は、国際情勢について、であります。

いま国際情勢は米ソ冷戦終焉以来の激動の時代を再び迎えています。

ロシアのウクライナ侵攻から始まり、シリア独裁政権の崩壊、長引くガザ紛争、イラン国内の混乱と米国との緊張の高まり、ベネズエラ独裁政権への米国の直接介入、中国・ロシアの北極圏勢力拡大を背景にした米国によるグリーンランド領有をめぐる問題など、独裁国家や権威主義国家と自由主義国家との分断と対立の構図が鮮明になりつつあります。

東アジアでも台湾問題について、中国は「武力行使を放棄していない」とする強硬姿勢をとり、繰り返し軍事演習を実施することにより、台湾周辺の緊張が高まっているほか、中国・ロシアによる日本周辺での爆撃機共同飛行の実施など、我が国を取り巻く安全保障環境も一段と厳しさが増しています。

また、中国におけるレアアース輸出規制強化に対し、自由主義諸国に見られる脱中国の動きは、単なるリスク回避のためのサプライチェーンの組み換えから、経済安全保障を目的とした動きへと変化しつつあります。

新たな国際秩序形成による平和と安定の実現には、まだ相当の時間を要すると思われます。

基地を抱える自治体として、各地の紛争の一刻も早い平和的解決に向けた各国の取り組みを願わずにはいられません。

(2)国内情勢について

次に、二つ目は、国内情勢について、であります。

まず、国内政治については、先般実施された衆議院議員総選挙において、厳しい寒波が襲来する中にも関わらず、本町においては、投票率が約65%、全国平均でも約56%となる中で、与党が3分の2を超える戦後最多の議席を確保し、国民の強い信任を得て大きく議席を伸ばす結果となりました。

今後、国においては安定した政治基盤のもとで、新たな政策の推進が一層加速されていくことが期待されます。

経済財政の面では、我が国の税収は企業業績の向上などを背景に増加傾向が続いており、本町の税収も同様に過去最大を更新し続けています。

そういった中で、昨年、ノーベル賞を受賞した京都大学の北川進(きたがわすすむ)特別教授、大阪大学の坂口志文(さかぐちしもん)特任教授が揃って「基礎研究の重要性」や「長期的支援の必要性」を語っていたことは印象的でありました。

資源の乏しい我が国が科学技術立国として発展し続けるためには、国による支援はもちろんのこと、子どもたちが科学に目を輝かせ夢を持つことのできる体験を提供し、学習につなげていくことが、いかに大切であるかを痛感しています。

一方、人口減少時代の経済成長に欠かせない外国人政策をめぐる議論では、多文化共生そのものが論争の対象となりがちですが、少なくとも本町では、長年、せいかグローバルネットによる外国人の生活に寄り添った取り組みが功を奏し、相互理解とともに地域社会への溶け込みが進んでいます。

もちろん、無制限の受け入れはできないにしても、本町でのこうした取り組みは我が国が抱える外国人政策をめぐる議論における一つの答えになるものと考えます。

(3)学研都市精華町のまちづくりについて

三つ目は、学研都市精華町のまちづくりについて、であります。

けいはんな学研都市の建設は来年度から第5ステージを迎えます。

本町はこれまで、「学研都市をバネにしたまちづくり」で新旧格差のないまちづくりに取り組み、さらには「学研都市を活用したまちづくり」で産業立地を促進し、府内でもトップレベルの子育て環境など、各種の行政サービス水準を実現してきました。

しかしながら、財政力の自立の度合いは府内26市町村のうち未だ6位に留まっており、今のままでは、例えば京阪奈新線延伸の建設費負担や祝園駅周辺の再開発はもちろん、長年お待ちいただいているJR下狛駅西側の市街地再整備に必要な財源は不足したままです。

将来にわたる精華町の発展を確かなものにするには、そうした「学研都市を支えるまちづくり」に耐えうる財政力の大幅な強化が必要です。

私はこれまでから、国・府に対して、財政的自立を目指した産業集積、特に増収が見込まれる生産施設導入の促進を求め続けています。

時あたかも「成長戦略」の時代であります。

自然と調和したまちづくりを堅持しながら、巨額の「成長投資」を呼び込み、関西経済、ひいては日本経済の発展に大きく寄与できる産業集積の取り組みを進めていく必要があります。

精華町に立地するNTTグループは、AI時代に欠かせない高速処理を可能にする「光電融合技術」の研究開発とその実装に取り組んでいます。

日本ニューロンは、地震大国では避けられない水道施設の耐震化に大きく貢献する技術が高く評価されています。

つい昨年末も、本町の水道事業で発生した送水管漏水事故では、同社の高度な管補修技術を持ち込んでいただき、早期の応急復旧が可能となりました。

このように、学研都市精華町では政府が掲げる成長戦略の17戦略分野に該当する様々な研究開発が盛んに行われています。

本町が日本の成長を支える技術の発信地となり、合わせて幅広い産業集積により、未来都市の夢を実現させたいと決意を新たにしているところです。

3.基本方針

こうした基本認識をふまえつつ、私の町政二期目の公約実現に向け、「精華町の未来のために」必要な施策に重点を置き、総合計画の体系に基づいた次の四つの基本方針のもと、町政を進めてまいります。

なお、令和8年度の予算編成の前提となる財政状況などにつきましては、後ほど、一般会計当初予算案の提案理由の説明において、副町長からその概要を説明させていただきます。

(1)活力あふれ魅力ある学研都市のまちづくり方針

第一の方針は、「活力あふれ魅力ある学研都市のまちづくり方針」であります。

今年の1月には、約25年ぶりとなる新たな学研地区開発として、学研クラスター「新精台」が誕生しました。

現在、事業化の取り組みが進む学研狛田西地区と併せて、企業誘致を本格化するとともに、学研都市の概成と自立のまちを成し遂げるため、産業集積を促進するための立地環境の整備が不可欠であります。

また、「産業集積の拠点」である学研狛田地区の受け皿として、JR下狛駅西側の周辺整備を進めるため、まずは、学研狛田地区開発による企業進出を見込んだ暫定駅前広場の整備に向けた基本設計に取り組みます。

ハード面の整備に加えて、本町域内での公共交通の課題解決に向けては、令和6年度に策定した「けいはんな学研都市(京都府域)地域公共交通計画」を受け、「精華町地域公共交通計画」の策定に取り組みます。

一方で、人口定着に向けては、菅井・植田地区及び蔭山・水落地区の民間開発を促進するため、引き続き堀池川雨水路整備事業の推進や京都府による山手幹線の南進整備の促進など、各事業の支援に努めます。

こうした計画的な開発に加え、本町の30年後を見据えた中で、第6次総合計画に定める「まちの拠点」など各拠点の将来ビジョンや、新たな市街化編入を検討する「未来のゾーン」の調査・研究を進めてまいります。

また、農業分野では、多様な担い手育成支援の継続・拡充や六次産業化の拠点である華工房の改修などの取り組みを進めてまいりますが、いわゆる「儲かる農業」へ転換を図るためには、現在進めている地域計画に基づき、大胆な投資に向けた農地の選択と集中による財源確保も視野に入れるなど、先に述べた調査・研究同様に議論を深めていく必要があります。

昨年は、大阪・関西万博が大きな盛り上がりを見せましたが、学研都市はポスト万博シティとして、そのレガシーを継承・発展させていく使命があります。

「いのちの未来」パビリオンに展示されていたアンドロイドが、けいはんなオープンイノベーションセンター、KICKへ移設されることなども追い風として、特に将来を担う子どもたちが夢や希望が持てるよう、「科学のまちの子どもたち」プロジェクトの展開を図ってまいります。

(2)安全・安心で健やかな暮らしのまちづくり方針

第二の方針は、「安全・安心で健やかな暮らしのまちづくり方針」であります。

いよいよ4月から「防災保健センター」、愛称「みらっぷ」の運用を開始します。

こちらに設置する「こども家庭センター」を拠点として、母子保健と児童福祉の両面から包括的に一人ひとりに寄り添い、妊産婦や子育て世帯への支援・相談体制のさらなる充実を図るとともに、健康づくりの拠点として、各種保健事業の実施や「せいか365活動」を展開し、健康長寿のまちづくりの一層の推進を図ります。

そして、引き続き「こどもを守る町」宣言の理念を踏まえ、「こども誰でも通園制度」のスタートに向けた環境整備などに取り組んでまいります。

また、少子高齢化が進むなか、高齢者が住み慣れた地域で、安心して暮らせるよう、各地域包括支援センターを中心とした支援を図るとともに、これらを取りまとめる新たな生活支援体制を整備することで、町域全体での課題共有と解決に向けて取り組むほか、地域福祉においては、地域活動ポータルサイトの立ち上げによる福祉活動の見える化などを通じて、担い手不足の解消を図ってまいります。

一方で、令和7年度も、多くの自然災害が各地で発生しましたが、災害級ともいえる大規模火災が、相次いで発生したことは、記憶に新しいところであり、本町における火災被害を最小限に抑えるため、初期消火に効果を発揮する水槽車を更新いたします。

また、令和9年度からの、京都府南部消防指令センターの共同運用に向けて、府南部の各消防本部と連携して準備を進めるなど、ハード・ソフトの両面での防災・減災対策に取り組んでまいります。

さらに併せて、地域防災の要である自主防災組織の設立を支援するとともに、消防団組織の充実と待遇改善を図ることで、共助による防災力の向上にも努めてまいります。

(3)未来をひらく教育と文化のまちづくり方針

第三の方針は、「未来をひらく教育と文化のまちづくり方針」であります。

二期目町政において、子どもたちは「まちの宝」であるとの考えのもと、安全で快適に学ぶことのできる、教育環境の整備を進めてまいりました。

令和8年度での、学校トイレの洋式化の完了を目指しつつ、引き続き小中学校体育館への空調設備の整備や、校舎照明のLED化に取り組んでまいります。

また、本町の教育の重要基本政策とも言うべき、教育支援体制の堅持や通級指導教室の拡充などにより、児童・生徒一人ひとりに寄り添った教育のまちづくりを推進します。

さて、国において、令和8年度から公立小学校の給食を、無償化する方針が示されましたが、以前にも申し上げましたとおり、義務教育における学校給食については、国の責任において全国一律で無償化に取り組むべきであると私は考えており、ようやくここに至ったとの思いであります。

本町としましては、この間の物価高騰などにも対応し、安全でおいしい給食を、子どもたちに届けられるよう、中学校を含めた無償化を継続してまいります。

一方、生涯学習の分野では、公約である「防災受援・文化スポーツ施設」の建設を進めるとともに、むくのきセンターのリニューアルなどの環境整備を行うほか、20周年を迎える少年少女合唱団の記念コンサートの開催、生涯学習講座やスポーツ講座の展開などを通じて、町民の文化・スポーツ振興に取り組んでまいります。

なお、今年で町立図書館が開館25周年を迎えることから、館内のリニューアルに合わせて記念イベントを実施するほか、町民の皆様に愛され続ける図書館になるよう、サービスの充実を図ってまいります。

また、共生社会の実現に向けては、次期「人権教育・啓発推進計画」の策定、女性活躍に向けた人材育成や企業とのマッチング機会の創出、国際交流団体との連携による外国人支援や国際理解の推進に取り組みます。

(4)住民協働と行財政運営の強靭化のまちづくり方針

第四の方針は、「住民協働と行財政運営の強靭化のまちづくり方針」であります。

昨年、町制施行70周年という大きな節目を越え、私たちは今後、10年先、30年先の未来に何を遺すべきか、その真価を問われる新たなステージに立っています。

今から約40年前、学研都市を受け入れることが決まった時、先人たちは先進地視察や研修・研鑽を重ねる中で、将来ビジョンを共有し、職員が一丸となってまちづくりを進めてきました。

学研都市の玄関口を見据えた近鉄新祝園駅への急行停車と駅舎の橋上化、急増する人口への対応と学研都市にふさわしい住民サービスを実現するための新庁舎建設や総合窓口サービスの導入など、将来を見据えた取り組みが、現在の我々の財産となって生きています。

この間、せいかまちづくりフォーラムや人材育成計画の策定、庁舎リノベーションなど、部署の垣根を越えた横断的な取り組みで、多くの中堅・若手職員が力を発揮してくれました。

ここで培われた経験やチームワークはイノベーションを起こせる組織風土の醸成につながるものと確信しています。

こうした中で、庁舎4階整備と併せて、2階と3階のリノベーションを進めてまいりますが、新庁舎への移転以来、25年ぶりの大規模な組織の移動や再配置を伴いますことから、町民の皆様にもご不便をおかけすることになります。

しかしながら、働きやすい職場環境づくりによる役場の生産性向上を通じて、町民にとって「行きたくなる役場」を目指して、DXなども取り入れながら本町の誇る「総合窓口サービス」のアップデートに取り組んでまいりますので、何とぞご理解とご協力のほど、お願い申し上げます。

また、職員の頑張りを認め、やる気につなげる人事評価制度の試行的運用、コンプライアンスやハラスメントに対する相談体制の充実などにより、風通しの良い職場環境づくりを推進します。

制度や体制、環境を整備しても、それを動かし使っていくのは人であります。

私が先頭に立ち、率先して声掛けを行うことで、精華町役場全体がワンチームとなって、第6次総合計画や公約に掲げたまちづくりが実現できる組織へと導いてまいります。

4.むすびに

以上が私の施政方針であります。

令和8年度の予算案については、後ほど、議案説明において副町長より予算概要と財政状況について説明いたしますが、一般会計の当初予算規模は204億2,000万円で、昨年度と比較して、20億5,000万円、11.2パーセントの増加となり、過去最高の予算額となっています。

6つの特別会計の合計では、当初予算規模は、147億4,482万7,000円となり、昨年度と比較しまして、9億4,447万円、6.8パーセントの増加となっています。

以上、7会計合わせて、351億6,482万7,000円となっています。

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更新日:2026年03月04日