常念寺(じょうねんじ)

創建は不明ですが、寛正2(1461)年、隨空恵順が中興し、天保4(1833)年、円空隣粲が本堂・庫裡(くり)を再建したと伝わっています。

菩薩形立像(薬師堂本尊):1躯[重要文化財]

平安時代前期に製作されたもので、精華町で最も古い仏像のひとつです。高さは約169センチメートル。一木造(いちぼくづくり)で頭から体部、両手首までを一材から掘り出しています。両手首先や両足先、天衣の垂下部には別材をあてていますが、これらは後世に修復され、新しい材に替わっています。表面は、現状ではほとんど素地を呈していますが、肉親部や着衣部にわずかな漆箔の痕跡が見られるので、本来は漆箔仕上げの像であったと推定されます。天衣を両肩から脚部付近まで長くたらしますが、両膝の前で複雑に交差させている様式は、衣のひだに現れている翻波式衣文(ほんぱしきえもん)とともに9世紀の特色をよく示しています。

常念寺に伝えられている菩薩形立像は、神と仏、神道と仏教の調和の関係を具体的に示す遺品の一つとして、わが国の歴史上きわめて重要な仏像といえるでしょう。

木津川は大変な暴れ川で、江戸時代の250年間でも35回以上も洪水の被害が記録されています。義浄訳「薬師瑠璃光七仏本願功徳経(七仏薬師経)」に説かれる七仏薬師の第一・善名称吉祥王如来には、この薬師如来独特の功徳として、大河や海上で暴風雨にあった時この仏を祀り、航海の無事を祈ったといわれています。

<所在地> 精華町大字祝園小字神木段55番地
<連絡先> 0774-94-3855

菩薩形立像

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更新日:2019年03月15日