10.税額控除について
税額控除とは
税額控除は、所得控除が税率を乗じる前の所得金額から一定の金額を控除するものであるのに対して、税率を乗じて算出した税額から一定の金額を控除するものをいいます。
個人住民税の税額控除には、以下の控除があります。
調整控除
平成19年に税源移譲の制度改正により、所得税の税率を下げ、住民税の税率が上げられました。
しかし、所得税と住民税では、扶養控除や配偶者控除などの人的控除額に差があります。したがって、税率だけ所得税分を下げて住民税分を上げても課税所得(税率を乗じる前の所得から一定の金額を控除した後の金額)は住民税分が所得税分よりも多くなり、税負担が増えてしまいます。
人的控除額の差額に起因する税負担を調整するため、次の算出方法により算出された調整控除額を住民税所得割額から差し引くこととなります。
合計課税所得金額 | 調整控除額 |
200万円以下 |
以下の(1)、(2)いずれか少ない額 × 5% (町民税:3%、府民税:2%) (1) 人的控除額の差の合計額 (2) 合計課税所得金額 |
200万円超 |
以下の(1)、(2)いずれか少ない額 × 5% (町民税:3%、府民税:2%) (1) 人的控除額の差の合計額-(合計課税所得金額-200万円) (2) 5万円 |
所得税と住民税の人的控除額の差
人的控除の区分 | 人的控除の区分細目 | 差額 | ||
配偶者の 合計所得 |
納税義務者の 合計所得 |
配偶者の区分 | ||
配偶者控除 |
48万円以下 |
900万円以下 |
一般(70歳未満) | 5万円 |
老人(70歳以上) | 10万円 | |||
900万円超 950万円以下 |
一般(70歳未満) | 4万円 | ||
老人(70歳以上) | 6万円 | |||
950万円超 1,000万円以下 |
一般(70歳未満) | 2万円 | ||
老人(70歳以上) | 3万円 | |||
人的控除の区分 |
配偶者の 合計所得 |
納税義務者の合計所得 |
差額 | |
配偶者特別控除 |
48万円超 50万円未満 |
900万円以下 | 5万円 | |
900万円超 950万円以下 | 4万円 | |||
950万円超 1,000万円以下 | 2万円 | |||
50万円以上 55万円未満 |
900万円以下 | 3万円 | ||
900万円超 950万円以下 | 2万円 | |||
950万円以下 1,000万円以下 | 1万円 | |||
人的控除の区分 | 差額 | |||
扶養控除 | 一般 | - | 5万円 | |
特定 | - | 18万円 | ||
老人 | - | 10万円 | ||
同居老親等 | - | 13万円 | ||
障害者控除 | 一般 | - | 1万円 | |
特別 | - | 10万円 | ||
同居特別 | - | 22万円 | ||
寡婦控除 | - | 1万円 | ||
ひとり親控除(母) | - | 5万円 | ||
ひとり親控除(父) | - | 1万円(※) | ||
勤労学生控除 | - | 1万円 | ||
基礎控除 | - | 5万円(※) |
【注意】ひとり親控除(父)及び基礎控除の場合は、法令により控除額に関わらず、一律となっております。
配当控除
要件
株式等の配当所得がある場合、算出された所得割額から配当控除額が差し引かれます。ただし、申告分離課税を選択した場合には、対象外となります。
配当控除の算定式
配当所得金額 × 控除率 = 配当控除額
【注意】控除率については、配当の種類によって異なります。以下の表をご確認ください。
課税所得金額 | 町民税 | 府民税 |
1,000万円以下の部分 | 1.6% | 1.2% |
1,000万円超の部分 | 0.8% | 0.6% |
課税所得金額 | 町民税 | 府民税 |
1,000万円以下の部分 | 0.8% | 0.6% |
1,000万円超の部分 | 0.4% | 0.3% |
課税所得金額 | 町民税 | 府民税 |
1,000万円以下の部分 | 0.4% | 0.3% |
1,000万円超の部分 | 0.2% | 0.15% |
住宅借入金等特別税額控除
所得税の住宅借入金等特別税額控除(以下、「住宅ローン控除」)が適用されており、平成21年から令和3年12月31日までに入居された方は、所得税から控除しきれなかった住宅ローン控除額がある場合、以下の(1)、(2)いずれか金額の少ないほうを住民税の所得割額から控除することができます。
居住年 | 控除額 | |
(1) | - |
住宅ローン控除可能額のうち、所得税から控除しきれなかった額 |
(2) | ~平成26年3月 |
所得税の課税総所得金額等の5% (最大控除額97,500円) |
平成26年4月~ |
所得税の課税総所得金額等の7% (最大控除額136,500円) |
【注意】(2)については、平成26年4月から令和3年12月までに居住し、かつ、その住宅の取得等に係る消費税額等が8%又は10%の税率である場合に限ります。
寄附金税額控除
要件
前年中に次に掲げる寄附金を支出し、合計額が2,000円を超える場合、控除される金額
(1)京都府内の共同募金会又は日本赤十字社京都府支部に対する寄附金
(2)京都府で条例指定している学校法人等への寄附金
(3)都道府県、市町村又は特別区に対する寄附金
【注意】
- 寄附金控除は本人が寄附したものに限ります。
- 寄附金の合計額が総所得金額の合計額の30%を超える場合、総所得の30%が限度です。
- (2)は府民税のみ控除となります。
- (3)はふるさと納税のほか、国等が受け付けた災害義援金等も含まれます。
控除額の算定方法
(1)、(2)の場合
(寄附金-2,000円) × 10%(町民税:6%、府民税:4%)
(3)の場合
(寄附金-2,000円) × 10% + 特例控除額
【注意】町民税は特例控除額の60%、府民税は特例控除額の40%として計算します。
特例控除額の算出方法
課税総所得金額から人的控除差調整額を控除した金額 | 割合 |
0円以上 195万円以下 |
84.895% |
195万円超 330万円以下 |
79.79% |
330万円超 695万円以下 |
69.58% |
695万円超 900万円以下 |
66.517% |
900万円超 1,800万円以下 |
56.307% |
1,800万円超 4,000万円以下 |
49.16% |
4,000万円超 |
44.055% |
0円未満 (課税山林所得金額及び課税退職所得金額を有しない場合) |
90% |
0円未満 (課税山林所得金額及び課税退職所得金額を有する場合) |
地方税法に 定める割合 |
配当割額控除
上場株式等の配当等については、平成26年1月から支払いの際に配当割5%(町民税3%、府民税2%)が差し引かれています。配当所得を申告した場合、住民税所得割額から配当割額を控除します。控除しきれなかった分は、還付又は未納の税額に充当されます。
【注意】平成25年12月までに支払われた配当は、配当割3%(町民税1.8%、府民税1.2%)が差し引かれています。
株式等譲渡所得割額控除
上場株式等の譲渡で特定口座の源泉徴収ありを選択している場合は、株式等譲渡所得割5%(町民税3%、府民税2%)が差し引かれています。株式等譲渡所得割が源泉されている上場株式等譲渡所得を申告した場合、住民税所得割額から株式等譲渡所得割額を控除します。控除しきれなかった分は、還付又は未納の税額に充当されます。
【注意】平成25年12月までの分については、株式等譲渡所得割3%(町民税1.8%、府民税1.2%)が差し引かれています。
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住民部 税務課 住民税係
〒619-0285 京都府相楽郡精華町大字南稲八妻小字北尻70番地
電話番号:0774-95-1916
ファックス:0774-95-3974
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更新日:2021年01月01日