Seika Town Kyoto
知っているようで知らない精華町
その魅力を再発見するWEBマガジン
11 Novemver 2022

 とうとうと流れる木津川と、神々が宿る神奈備かんなびとも呼ばれた丘陵にはさまれた 精華町は、昔から、京の都と南都を結ぶ交通や軍事、通商上の重要な地域として、しばしば歴史に登場します。  初めて文献上に登場するのは、日本最古の歴史書と言われる『古事記こじき』や『日本書紀にほんしょき』です。古墳時代前期に起きた戦乱に関する記述で「波布理曽能はふりその」つまり現在の「祝園ほうその」の地名が現れるのです。

  古墳時代前期、木津川流域や大和盆地の有力首長や王が支配権をめぐって激しく戦いました。 伝承によると、武埴安彦たけはにやすひこ建波爾安王たけはにやすおう)も反乱を企てますが、倭国やまとのくにの朝廷の軍勢の前に討たれてしまいます。鬼神となった武埴安彦の魂を鎮めるために始まったのが、京都府指定無形民俗文化財でもある祝園の「居籠祭いごもり」と伝わります。
混沌の歴史で幕を開けた祝園ですが、藤原氏が隆盛を誇った平安時代には、都から春日詣かすがもうでに至る途上の休憩地として天皇や多くの貴族が立ち寄りました。

 そして、錦織りなす秋の美しさと相まって、祝園(波々曽乃毛利ははそのもり柞之杜ははそのもり・柞ノ森)は紅葉の歌枕になりました。『小倉百人一首』の撰者としても知られる著名な歌人・藤原定家も「木津川の波さえも嵐に散った紅葉で色づくようだ」と心を酔わせました。
 数々の物語舞台となった木津川のほとり。せせらぎに杜の葉擦はずれの音が重なり、心をいにしえへと誘います。秋の散策、つわものが討ち合う争乱のざわめきや、鳳輦ほうれんや騎馬が進む華やかな平安絵巻に思いをはせてみてはいかがでしょう。

CONTENTS SEIKA TOWN KYOTO

NEW
11 | Novemver 2022

古代史に躍り出た決戦地

古墳時代、現在の奈良盆地や大阪平野で、倭国の首長を中心として有力氏族が連合して成立したのがヤマト王権です。そして、ヤマトに反旗を翻したのが、久須婆(大阪府枚方市樟葉)を拠点にしていた第8代孝元天皇の皇子・建波爾安王でした。

詳しく見る
09 | September 2022

京都府立大学精華キャンパスを訪ねてみましょう

現在は生命環境科学研究科・農学生命科学科の5研究室を備え、9人の教員と4年生や大学院生あわせて常時40人以上が研究にあたるほか、毎週、下鴨キャンパスから3年生が実習にやってきます。

詳しく見る
07 | July 2022

精華のふるさとを戦乱から守る!「山城国一揆」

長引く戦火で荒廃したふるさとを守るため、若者から壮年、年配の人にいたるまで心を一つに。平和的な交渉によって実りの大地をよみがえらせよういう願いが見て取れます。

詳しく見る
04 | April 2022

4万株栽培のハウスでいちご狩り!「華やぎ観光農園」

精華町のいちごには、作り手たちの手間暇と愛情がつまっています。広いハウスでは果実が次々と熟し、あなたの手で摘まれるときを待っています。

詳しく見る
03 | March 2022

土と炎の詩人 河井寛次郎の道

町並みこそ、暮らしの美の最たるもの。「土と炎の詩人」と呼ばれ、「用の美」である民藝運動を提唱した寛次郎は、ここに理想の集落の姿をみつけたのでしょう。

詳しく見る
02 | February 2022

ことし開館20周年を迎えた国立国会図書館 関西館

館内に入り、光に包まれたエントランスの大階段を降りるうち、日常の喧噪から心が解放されていくのを感じます。「温かく、ウェルカムな雰囲気」に驚くはずです。

詳しく見る
01 | January 2022

見どころ盛りだくさん!水景園&芽吹きの森で深呼吸

人々が憩う広場から、谷あいの小川沿いに梅林を経て竹林の小径へ。こどもたちの歓声もやがて遠く、樹々の葉擦れと鳥の声が森へと誘います。

詳しく見る

Backnumber